平成30年度相続税の改正項目

一般社団法人等に関する相続税の見直しが行われます。
一般社団法人等を悪用した相続税の課税逃れに対処するため、特定の一般社団法人等の理事が死亡した場合、その一般社団法人等が以下の金額をその死亡した理事から遺贈により取得したものとみなして、その一般社団法人等に相続税が課せられる改正が行われます。
そして特定の一般社団法人等とは、次のいずれかを満たす一般社団法人等を言います。
①相続開始直前において、同族役員÷総役員数の割合が50%超
②相続開始前5年以内において、上記①の割合が50%超である期間の合計が3年以上

●特定の一般社団法人等が死亡した理事から遺贈により取得したものとみなされる金額
【計算式】その一般社団法人等の純資産価額÷死亡時の同族役員の数(死亡した理事を含む)

適用は平成30年4月1日以後の理事の死亡から、同日前に設立された一般社団法人等については、平成33年4月1日以後の理事の死亡からとなります。

被相続人等の居住または事業用に提供されていた宅地について、相続税の課税価格を減額にする小規模宅地の特例について、居住または事業の継続への配慮という政策目的に沿っていない使われ方があることから見直しが行われ、持ち家に居住していない者に係る特定居住用宅地等の特例の対象者の範囲から、以下の者が除外されます。
①相続開始前3年以内に、その者の3親等内の親族またはその者と特別の関係のある法人が所有する国内にある家屋に居住したことがある者
②相続開始時に居住していた家屋を相続前に所有していたことがある者