労災保険は経営者に代わって補償を行う制度

労働保険とは労災保険雇用保険の総称で、6月1日から7月10日までが年度更新の時期で、保険料の申告・納付の更新が必要です。事業主は、パートタイマーやアルバイトも含み労働者を1人でも雇用すれば、業種・規模に関わりなく労災保険の適用事業者となり、保険料を納付しなければなりません。

労働保険(=労働者災害補償保険)は、業務中や通勤途中における従業員の怪我、病気、障害、死亡等の労働災害に対して、従業員やその家族に必要な保険給付を行う制度です。
従業員が労災にあった場合、労働基準法により事業主は療養費や休業中の賃金を保証する責任を負いますが、労災保険から従業員へ給付が行われるため、事業主は補償責任を免除されることになります。
雇用保険料が会社と従業員の両社で負担するのに対して、労災保険が会社負担のみとなっているのはそのためです。

仕事中や通勤途中に被った怪我等は、労災保険から給付になるため、従業員自身または会社が労災保険健康保険のどちらかを選択して利用することはできません。医療機関での受診の際には、負傷した原因を伝え、労災保険扱いで診療を受けることになります。
通勤途中でよく問題になるのが、通勤途中にどこかに立ち寄った場合などです。
通勤途中として労災が認められるのは、原則として住居と就業場所との往復で、最短コースである必要はなく合理的な経路と方法による場合です。通勤途中に通勤とは関係のない行為や、通勤とは関係のない目的のために合理的な経路を逸れた場合は、通勤途中とは認められませんが、次のような行為は通勤途中と認められるようです。
①子どもの保育所への立ち寄り
②道路工事や交通規制のための迂回
③日常生活上必要な行為(日用品の購入、選挙権の行使、病院での診療、親族の介護等)
④経路近くの公衆トイレの利用