売上総利益を圧縮して節税する方法は?

売上総利益は、売上高から売上原価を差し引いて計算します。これが会社の法人税等の対象となる課税所得の源泉です。
この売上総利益を圧縮することができれば、節税に繋がることは言うまでもありません。

売上総利益=売上高ー売上原価
売上総利益=売上高ー(期首棚卸高+当期仕入高ー期末棚卸高)

この計算式に登場する、売上高、当期仕入高、期末棚卸高というのは「仕入→在庫→売上→…」という一連の企業活動の中で連動して動くものです。期首棚卸高は前期末に既に確定していますので当期の企業活動に関係なく決まっています。売上が増加すれば、当然売上に充てるための仕入も増加します。また仕入が売上を上回るくらい増加すれば期末棚卸高も増加します。よって、売上総利益を減らして節税しようとしても、そう簡単には上手くいきません。

●決算直前の多額の仕入は節税になるのか?
決算直前に多額の仕入を計算して、なかには売上総利益を減少させようとする経営者もいますが、これは大きな間違いです。
例えば売上高400、期首棚卸高100、当期仕入高200、期末棚卸高50だった場合、売上総利益は150となります。
 400-(100+200-50)
ここで仕入高を300に増加させても、期末棚卸高も100増えて150になるだけなので、売上総利益は150のままです。
 400-(100+300ー150)
要するに仕入れを増加させても、結局期末棚卸高が増加すれば、売上総利益は減少することになりません。
このように売上高、当期仕入高、期末棚卸高の関係は一筋縄ではいきません。それでも売上高を分割して少なくしたり、期末棚卸高を少なくして売上総利益を圧縮する対処法もあります。

【参考】
「会社の税金」「社長の税金」まだまだあなたは払いすぎ!
落合孝裕(2007)フォレスト出版