会社の経営資源

経営者は自社の事を全て把握していますが、一般的に後継者がその段階に至っていることはありません。事業承継に向けて会社の経営状況の見える化を図るために、経営者と後継者が一緒にチェックします。

企業経営では、「ヒトモノカネ情報」といった経営資源が重要です。先ずは基本的な事項として自社の経営資源について把握しましょう。
(1)ヒト
「企業は人なり」と言われるように、いくらIT化が進んでも人材がいなければ経営は成り立ちません。例えば幹部や社員の年齢、能力、組織風土とうを確認します。
・社員の平均年齢は?
・将来有望な若手の育成状況は?
・チャレンジ精神乏しく指示待ちの組織風土か?
(2)モノ
他社にない優れた商品・技術は差別化の源泉になります。また生産性の高い機械、設備は業務の効率化を進め生産性を高めます。
製品・商品、技術、機会・設備等の活用状況や土地等の含み損益を確認しましょう。
・常に新たな商品を開発し品質管理を徹底しているか?
・製造機器が老朽化していないか?
・20年以上前に購入した土地に含み損があるか?
(3)カネ
中小企業の場合「勘定合って銭足らず」で、利益は出ているが資金がないというように、資金繰りに追われる傾向があります。キャッシュフローや資金残高の推移を月次試算表にて確認しましょう。
(4)情報・ノウハウ
会社独自の情報ストックや収集・分析力、共有化の状況を把握します。
そのためには、知的資産経営報告書といった「事業価値を高める経営レポート」等の枠組みや着眼点を活用するとよいでしょう。
・業務マニュアルが整理されているか?
・お客様アンケートを実施し分析しているか?
・同業者勉強会にて最新情報を収集しているか?

この現状分析をすることで、課題に気づき、経営者と後継者の認識が共有され理解が深まります。