事業承継の手段としての株式譲渡の活用時のデメリット

事業承継における経営者と後継者との関係は、時代とともに大きく変わりつつあります。中小企業庁が実施した事業承継に関するアンケートによると、20年以上前は親族内承継が9割以上を占めていましたが、最近では全体の6割程度にまで減少し、従業員承継やM&A等の第三者承継が増加しています。
第三者承継を検討する場合、その手法としては、
①株式譲渡
②事業譲渡
③会社分割
④合併
⑤株式交換
⑥株式移転
等が一般に用いられています。
中小企業の場合には、手続きの簡便さ、株式が比較的集中している場合が多いこと等の事情から、株式譲渡、事業譲渡、会社分割等が中心になっています。
このうちカビ式場とは、譲渡会社の株主の変更に過ぎないため、中小企業のM&Aにおいてかなり多く利用されています。以下この手法を用いる場合の注意点等を検討しておきましょう。

●株式譲渡の活用のデメリット
株式譲渡の1番の問題は、変更となるのは株主であって、会社は従前のものが同一性を持ったまま引き継ぐことになるという点です。株式を購入する相手先企業がもっとも気にするのは、簿外債務の存在です。
譲渡会社に簿外債務や保証予約等があった場合に大きなマイナスを背負い込むことになるので、この点についてのデュー・デリジェンス(買主の事前調査)は重要です。
また株式譲渡によるM&Aの場合には、買い受ける側は譲渡会社の全ての株式の譲渡を受けることを前提としていることがほとんどなので、株式が分散したり、一部ではあっても少数株主が反対している状況下では、実施が困難ということになるので、よく検討した上で株式譲渡を活用するようにしてください。