2019年2月1日 / 最終更新日時 : 2022年6月13日 yokoyama-tax 事業承継 事業承継の手段としての株式譲渡の活用時のメリット 事業承継における経営者と後継者との関係は、時代とともに大きく変わりつつあります。中小企業庁が実施した事業承継に関するアンケートによると、20年以上前は親族内承継が9割以上を占めていましたが、最近では全体の6割程度にまで減少し、従業員承継やM&A等の第三者承継が増加しています。第三者承継を検討する場合、その手法としては、①株式譲渡②事業譲渡③会社分割④合併⑤株式交換⑥株式移転等が一般に用いられています。中小企業の場合には、手続きの簡便さ、株式が比較的集中している場合が多いこと等の事情から、株式譲渡、事業譲渡、会社分割等が中心になっています。このうちカビ式場とは、譲渡会社の株主の変更に過ぎないため、中小企業のM&Aにおいてかなり多く利用されています。以下この手法を用いる場合の注意点等を検討しておきましょう。●株式譲渡の活用のメリットメリットの一つとして手続きの簡便さがあります。株主の変更なので、株式譲渡(売買)契約を締結するだけで済みます。その意味では合併等のように株主総会決議が必要となるわけではなく、簡易かつ迅速に事を進めることが可能です。注意すべきは株式に譲渡権限が付されている場合です。多くの中小企業では、原則として自社の株式を譲渡する際に株主総会または取締役会の承認を必要とする株式の譲渡制限を付しています。この場合、株式譲渡の際には法令・定款に従い、株主総会または取締役会の承認を得る必要があります。会社と取引先との契約関係には全く影響を与えない点も魅力です。会社とその従業員との契約関係や、会社が取得している特許、主務官庁の許認可等もそのまま継続して使用できます。ただし会社と取引先との取引基本契約書やビルをオフィスまたは店舗として借りる際の建物賃貸借契約書等において、「主要な株主の変更については相手方や賃貸人に事前の承諾を得なければならない」との条項が付されていることがあります。株式譲渡の活用の際には、このような契約条項の有無を確認するようにしましょう。 FacebookXHatenaPocketCopy