経営の安定のためには株式の集中が必要

オーナー企業においても、経営者が自社株式を100%保有しているとは限らず、何らかの理由で分散している場合があります。事業承継においては、後継者の株式保有割合が今後の経営に影響を及ぼすことから、自社株式の現状を確認し問題があれば整理しておきましょう。

後継者へ引継ぐことを考えているなら速めに名義株を整理しましょう。
株主名簿がきちんと整理されていない等の理由で、名義株等の株主が確定できない場合には、設立時の発起人やそう俗事の相続財産の記録、配当金の支払等参考になるような資料をもとに調べることになります。
自社株式が分散している場合には、自社株式を後継者に集中させることが経営の安定に繋がります。
かつては相続税対策として株式を分散させることもありましたが、特例事業承継税制を活用して、後継者への自社株式の相続・贈与の差異の税負担を軽減することが可能になりました。

名義株等分散した株式を集約させるには、名義株主から
①経営者や後継者が買い取る
②会社が買い取る
等の方法があります。
いずれにしろ、株式の譲渡には、相続税贈与税所得税等の課税問題が発生するため、自社株式の評価も含めて必ず当事務所にご相談ください。

事業承継に取り組む前に先ずは自社株式を確認し、もしも名義株があればきちんと整理して本来の株主の状態に戻すことが必要です。そこが事業承継のスタートラインです。
ここから
①後継者を誰にするのか
②長男だけでなく兄弟で複数の後継者にするのか
③自社株式の評価額はいくらなのか
④どのように自社株式を移転させるのか
具体的に事業承継計画を立てる過程で、特例事業承継税制の適用の可否を検討していくことになります。