会社のリスク

経営者は自社の事を全て把握していますが、一般的に後継者がその段階に至っていることはありません。事業承継に向けて会社の経営状況の見える化を図るために、経営者と後継者が一緒にチェックします。

会社には既に潜在化しているリスクと、将来起こり得るリスクがあります。リスクに対する備えがあるか確認しましょう。
(1)金融機関から借入・担保状況と返済能力
中小企業は資金調達力を向上させるために、返済能力と決算書の信頼性を高め、金融機関との関係をより強固に保つ必要があります。借入・担保状況や今後の返済能力等をしっかり確認します。
・メイン銀行の借入残高は?
・土地購入資金の返済の負担感は?
・内部留保が少なく借入依存体質にないか?
(2)役員等からの借入状況と債券放棄等の検討
同族会社の場合、社長や役員からの借入が日常的に行われています。その返済が困難な場合には、債券放棄等についても検討します。
(3)退職金支払い等の潜在的債務額
事業承継時に支払う役員退職金額や今後の社員の退職金額を算出し、その準備を確認します。
・社員の退職金は今後10年でどのくらいか?
・役員の退職金規定は作成されているか?
・社長の退職金希望額はどの位か?
(4)保険の加入状況と適正額
人的・物的リスクに備え、必要保証額を算出し生命保険や損害保険の加入状況をチェックしましょう。

この現状分析をすることで、課題に気づき、経営者と後継者の認識が共有され理解が深まります。