期中の役員給与を減額した場合の注意点

事業年度開始から3か月以内に決定した役員給与は、原則としてその事業年度の決算月まで同額を支給しなければ、税務上損金算入が認められません。しかし、著しい業績不振等から期中において、役員給与を減額せざるを得なくなった場合、要件を満たせば減額が認められます。

税務上の役員給与には
①定期的(一月以下の一定期間ごと)に支給する定期同額給与
②夏・年末や決算月の賞与等の臨時的な給与で、あらかじめ税務署に支給時期と支給額を届け出た事前確定届出給与
があります。

(1)定期同額給与を減額したい場合
例えば3月決算法人が5月末の定時株主総会において、毎月支給する役員給与の額を120万円と決定し6月から支給していたが、期中の10月から90万円に減額改定した場合、原則として減額後の90万円が6月の当初から支給されていたものとみなされます。
この場合、既に支給済の改定前の120万円と改定後の90万円の差額30万円の6月から9月までの4ヶ月分の120万円が損金の額に算入されません。

(2)事前確定届出給与を減額した場合
事前に届け出た支給額を減額して支給した場合は、7月支給の100万円と12月支給の50万円の支給額の全額が損金の額に算入されません。