事業承継に向けた経営改善

事業承継では相続税対策も大切ですが、それ以上に大切になることはバトンタッチするまで事業の存続・成長・発展に向けて全力で取り組み、よりよい経営状態で事業承継できるようにすることです。
後継者が継ぎたくなるような魅力ある会社にするために「磨き上げ」を図りましょう。

①本業の競争力を強化する
企業価値を高めるためには、自社の「強み」を強化させ「弱み」を改善することが必要です。そのために後継者が早い段階から各現場に入り、担当者と積極的にコミュニケーションを取ることをお勧めします。これにより現場社員との相互理解が深まると同時に、経営課題を把握・体感し改善を進めることができます。
国が支援施策を設けている「早期経営改善計画策定」等にも取り組み、磨き上げを図りましょう。

②経営体制を見直す
現在の経営体制のまま事業継承をしてら、後継者は円滑に事業運営をすることができるでしょうか。後継者を支える幹部や組織体制、組織風土、諸規則、業務マニュアル等を総点検し、後継者を中心に業務が効率よく流れる体制となるよう見直しを図りましょう。

③財務経営力を強化する
日々の経営活動の結果を表す財務データをタイムリーに把握し、業績管理や経営の意思決定に役立てましょう。
経営計画に基づく予算との対比(予実対比)や部門別管理までできるように経営管理レベルをアップさせ、財務情報を特に金融機関を含む利害関係者に経営者自ら説明できるようにしたいものです。これができれば、信用力が高まり、資金調達強化につながります。

④債務の軽減を検討する
多くの中小企業は借入をしているので「債務承継」にも注意が必要です。多額の債務は後継者にとって重荷になります。
事業承継ガイドライン等を参考に財務体質の改善を図りましょう。