事業承継に向けた事業承継計画の策定

限られた期間の中で事業承継を円滑に進めるために、いつ、誰が、何を行うのかをまとめたものが「事業承継計画」です。
事業承継計画は中期経営計画の一部です。先ずは経営ビジョンに基づいた中期経営計画を策定し、その計画の中で事業承継計画を策定しましょう。事業承継計画を策定するには、中小企業庁作成の雛形(事業承継ガイドラインPDFの91ページ以降)を基に作成してみましょう。

①事業承継の時期を明らかにする
いつ完全に事業承継するのか、先ずその時期を明らかにし計画書の「現経営者」と「後継者」の年齢に記入しましょう。

②どのような計画を策定するか
経営者は、後継者決定の時期、自社株式や事業用資産の承継方法、後継者育成方法などを計画します。相続トラブル回避にため遺言書作成なども必要です。
後継者に関しては、自社の多くの部署を経験させ、後継者塾などの外部研修を受講させることなどを計画に入れます。
他には自社株式の分散防止のための定款変更、議決権の集約化のために名義株対策や退職金の原資づくりのための生命保険加入などを検討します。
更に特例事業承継税制には様々な適用要件があるため、これらをクリアするための事前準備も計画しましょう。

③いつ作成するか
事業承継の準備には5~10年程度かかると言われており、平均引退年齢が70歳前後であることを踏まえると、60歳頃には準備に着手する必要があります。後継者候補が見当たらない場合、事業の引き継ぎ先を探さなければなりません。探すには時間がかかるので、早めに準備にとりかかりましょう。
なお特例事業承継税制を活用するには、平成35年3月31日までに「特例承継計画」の策定・都道府県庁への提出が必要となります。